【優秀賞】 本当の優しさとは

一般部門 菊地 実香
 
 私が左耳の聴力を失ってから10年が経ちました。両方、聞こえていた頃と比べると、聞き間違いをしたり、聞きとる力が弱くなり、とても不便になりました。私は、右耳は聞こえ、日常生活には、ほぼ支障はない為、聴覚障害者とまでは該当しませんが、耳に障害があるという事には間違いありません。
 私より大変な思いをしている人は、たくさんいると思うと胸が痛みます。障害者と聞くと、可哀想というイメージを持ってしまいます。うまく伝えたい事が伝わらなかったり、時には我慢したり、障害のある人もない人も同じ一人の人間なのに障害があるという事は障害のない人にとって、不自由のない社会では、社会的不利な状況に置かれやすいのが現状だからです。
 障害者差別解消法が今年の4月から施行される事をテレビで知りました。この法律は、障害を理由にした差別をなくして、障害があって困っている事に配慮や支援を提供して、障害がある人もない人も同じように、社会参加できるようにしようという法律です。
 私は、障害者の方と直接、接する事が少ないので、接し方が分からなくても、コミュニケーション能力を伸ばす事が少しでも改善に繋がると思いました。共に接する機会が増えれば、理解するきっかけも創られていくと思うと、とても良い法律だと思いました。
 私達は、まず何から向き合うべきか考えました。私が耳の治療で入院中、不安で前向きになれず、閉鎖的な気持ちを抱え、何事も諦めていました。だけど、家族や友人に励まされたり、普通の生活に慣れるよう、周りの人が努力してくれてた事が、とても励みになり、支えにもなりました。
 優しさはみんな持っています。でも自分の本当の優しさに気付く努力をしていく事がこの先、必要なんだと思い感じました。
 全てを理解する事は、とても難しい事だと思います。同じ感情を持っていても、合う合わない人間だっています。でもだからといって偏見や差別などで個人の人権を無視しないで下さい。あらゆる国でも暴行や虐待、差別など、さまざまな深刻な問題がたくさん生じています。それらの被害に遭いやすいのが、介護や支援が必要な方たちです。本当の優しさは、思い合ったり、人権を尊重し気に掛け続ける事です。
 欧米の福祉制度は日本より進んでいます。障害も一つの個性という考えが、定着しています。バリアフリーがとても進んでいる為、人の手を借りなくても、自由に外出でき、とても住みやすい環境だそうです。
 例えば車椅子の人の場合、日本だとホームと電車のドアまで溝がある為、自分一人では乗れません。バスは、段差があり乗る事が困難です。しかし、欧米だと州や地域によって状況はさまざまですが、ほとんどの電車、バスは全てバリアフリーでスロープ、リフトがついてあり、低床バスが主流です。電車もホームとの溝はありません。
 これから先、日本も合理的配慮、基礎的環境整備を充実させていく事が重要であり、必要に応じて合理的配慮の観点や代表的なものと考えられる例を定期的に、見直していく事が大事だと思いました。解決への道は、自分自身からではないでしょうか。一人一人意識を変え、社会に貢献し、この法律の趣旨や内容について、理解する気持ちになる人が増えてほしいです。
 私は片方の耳の障害と長く付き合っていかなければいけません。障害者とより近い立場で、これからの事を考えて生きたいです。障害者の閉鎖的な気持ちがなくなる明るい社会に発展してほしいと願うばかりです。
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