【特選】 体験を通して気づいたこと

玉井小学校6年 伊藤 孝太
 
 3年生の時、足のすねにできものができてしまった。
 病院でみてもらうと、虫さされがひどくなったものだということだった。しょう状がひどくなってから受しんしたため、なかなか治らず、何度も通院し、薬をいただいた。病院の先生からは、完治するまでしばらくかかると言われていた。しかし、ぼくはあまり気にしていなかった。
 ところが、ある日、ぼくの心はひどくきずつけられた。
 それは、水泳の授業の時のことだった。
 水着に着がえていると、何人かの友達がぼくの足をじろじろと見た。そして、
「うわっ。何、それ。気持ち悪い。」
と、いやそうな顔で言った。
 ぼくは、自分の足がいつもとちがうことは分かっていた。だから通院し、薬を飲み、薬もぬっていた。それでも完治までには時間がかかると言われていたのだから、どうしようもないことだった。
 ぼくは、それまでに感じたことのない気持ちになった。そして、2度とプールに入りたくないと思った。ぼくは、もう傷つくのはいやだった。
 ぼくは学校が終わり帰宅するとすぐ、もうプールには入りたくないと母に伝えた。すると、母は、ぼくに理由をたずねた。
 ぼくは、学校での出来事について母に伝えた。
 ぼくは、母に話していると中、その時のことを思い出し、また悲しい気持ちになった。
 母はぼくの話を聞くと、
「だいじょうぶだよ。病院の先生も許可してくださっているのだから。」
と話してくれた。そして、担任の先生にも伝えてくれた。
 先生は、クラスのみんなに、ぼくの足のできものは、うつるようなものではないこと、治りょう中であることをみんなに話してくださった。
次の日も水泳の授業があった。ぼくは、こわい気持ちでいっぱいだった。じろじろ見られるのではないか、また言われるのではないか、と。
 しかし、ぼくが心配するようなことは起きなかった。ぼくは心から安心した。
 ぼくは、この時の経験を通して、どんな言葉もどんな行動も、相手の感じ方次第で相手を傷つけるものになってしまう場合があるということを学んだ。だから、ぼくたちは、1つ1つの言葉や行動に責任をもたなければならないと思う。どんな時も相手の立場に立って考えることが大事だ。
 相手を思いやる気持ちを常にもつことで、自分のことも相手のことも大事にすることができると思う。ぼくは、これからも思いやりの気持ちを常にもち、生活していきたい。
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