【特選】 意外といえない「ありがとう」

大山小学校6年 下平 亜未
 
 母に物を取ってもらった時のことです。だまって受け取った私に、
「取ってもらって当たり前ではだめだよ。1回、1回『ありがとう』って口に出して言って、感謝の気持ちを持つんだよ。」
と、母は言いました。そう言われてわたしははっとしました。
 今までたくさんの人にお世話になってきた自分。「ありがとう」という言葉は、とても身近な言葉なのに、自分は周りの人に言っていいだろうか。改めて自分の生活を振り返ってみると、何でもやってもらうことが当たり前になっていて、「ありがとう」と言っていなかった自分に気付きました。
 いつも私と仲良くしてくれて、いろいろとアドバイスをしてくれてありがとう。いつもご飯を作ってくれて、バレーボールの練習の送り迎えをしてくれてありがとう。休みの日にお出かけに連れて行ってくれて、ありがとう・・・。いつも私のそばにいてくれる友達にも家族にも言ってなかった、言えなかった「ありがとう」がたくさんありました。
 母は私によく言います。
「身近な人にこそ感謝をするんだよ。大切なのは、どんな人にもどんな物にも、いつもいてくれて『ありがとう』と思うことが必要だよ。友達とどんなに言い合い、けんかになっても、友達がいないとけんかができないんだから、まず、友達がいることに感謝するんだよ。」
私にとって、友達がいることは当たり前のことでしたが、母のこの言葉の意味を改めて考えてみた時、友達がいることに感謝して、もっと友達を大切にしなくてはいけないと思いました。友達だけではなく、家族や私の生活に関わってくれている全ての人たちに、感謝の気持ちをもたなければならないと思いました。そして、「ありがとう」という言葉で、みんなの感謝の気持ちを伝えることが大切なのだと思いました。
 私は小学6年生です。生まれてから12年間、両親をはじめ、たくさんの人にお世話になり、苦労をかけ、支えられてきました。今まで言えなかった「ありがとう」は、数え切れないほどあります。でも、そのことに気付いた今は言えます。
「ありがとう。」
 そして、大切な家族、友達、身近な人たちが、私のそばで笑っていてくれるだけで思います。ちゃんと伝えられます。
「いつも私のそばにいてくれて、本当にありがとう。」
 
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