【佳作】言葉の捉え方と伝え方 大玉中学校2年 髙橋 こころ

言葉の捉え方と伝え方
大玉中学校2年 髙橋 こころ
 
「双子ちゃん?」
三つ下の妹といる時、そう声を掛けられたら、どう感じるだろう。相手はきっと何の気なしに、見たままに伝えているだけ。きっと、双子ちゃんみたいにかわいいってこと。嬉しいと感じ、「三つ下なんです。」と笑顔で答える人。何で三つも下なのに双子に見られるの。「違います。私が三つ上です。」とむっとした表情で答える人。
 私の妹は三つ年下。最近は、減ってきたが、妹と一緒に外出すると、必ずと言っていいほど見ず知らずの人に声を掛けられる。「双子ちゃん?」そう言われるのは仕方がない。だって背丈がほとんど変わらないし、お揃いの洋服を着ていたのだから。
「二人姉妹のお母さんになるのが夢だったの。」
そう言って母は、小さい頃からお揃いの洋服ばかり着せる。幼い頃は何とも思わなかったし、大好きな妹と一緒にいると「かわいい姉妹だね。」なんて言われると嬉しくて仕方なかった。でも、「双子ちゃん?」とこれまでうんざりするくらい言われてきた私は、小学校高学年くらいになると、その言葉にむっとしてしまい、とにかく嫌で仕方なかった。
「三つも下でしょ。生意気。」
そんな言葉を妹にぶつけたり、
「妹と同じ服ばかり着せないでよ。」
と母に反抗してしまったりすることもあった。同級生と比べると背が低いことを、いつも気にしていた私に母は、
「成長なんて人それぞれだよ。気にしない方が幸せだよ。お母さんは、大きかったから、小さい方がかわいくて羨ましいよ。」
と励ましてくれたり、「双子ちゃん?」と声を掛けられる度に、
「この子が三つ上なんです。下の子の成長が早すぎて・・・・・・。」
と、むっとしている私をかばうように相手の方に返事をして
「気にしない、気にしない。かわいいってことだよ。」
と励ましてくれたりしたが、その言葉を素直に受け入れられるようになったのは、最近かも知れない。
 妹は三つ下だ。それなのに、私より度胸はあるし、しっかりしている。ある時、本屋で一緒に立ち読みをしていた時、小さい子連れのお母さんが、子どもがぐずる中、欲しい本が見つからず夢中になって探していた。「ちょっと待ってね。○○っていう本、この辺にあったと思うんだけど・・・・・・。」そう呟きながら必死に探すお母さん。私がふと目についたその本を「これですか。」と差し出してあげようか迷っていると、すぐさま
「ここにありますよ。」
と妹がその本を差し出してあげた。「瞬時に言えるの。」そう思い、姉としての情けなさに直面した。誰に対しても親切で、そして誰に対しても公平に関われる妹。物事に消極的な私とは違う姿が羨ましいが、姉としてのプライドが変に邪魔をする。悔しさから素直に「すごいね。」と伝えられない私。なんて冷たい姉なんだろうと思いながらも、いつからか素直に妹の姿を認めてあげたり、優しい言葉を掛けてあげたりすることが少なくなってしまった。比べる必要はないのに、双子に見られるという私の勝手な感情だけで、ある時、
「大きくなりすぎ。だから双子に見られるんだよ。離れて歩いて。」
ときつく言ってしまったことがあった。
 素直で真面目な妹は、その言葉通り離れて歩くようになった。写真を撮る時は、少し離れてひざを曲げるようになった。母がお揃いの洋服を選ぶと
「今日は、これを着たい気分なの。」
と、お揃いを拒むようになった。私が何の気なしにぶつけた言葉で妹を傷つけてしまった。つい、「妹は家族だからいいや」と勝手なルールで感情のまま言葉をぶつけてしまう。きっとすぐに許してくれる保証があると思っているから「つい」から抜け出せないのだと考えた。
 憧れはあっても、成長の早さは選べない。身長も個性と理解してても、周りの友達と比べて小柄なことを気にするあまり、気がおけない一番身近な存在の妹に、気が緩み八つ当たりをしてしまった私。それでも妹は、私に優しい。頼ってくれるし、助けてくれる。
「背が伸びない方法ってあるのかな。」
そう言ってインターネットで調べていたことを母から知らされた時、事の重大さに気づき、心の底から謝った。
 双子ちゃん。言葉の捉え方は人それぞれだ。全て前向きに捉えるのは難しいが、捉え方で誰かを傷つけてしまうのなら、プラスの方を選びたい。そして、どんな時でも誰に対しても公平に、瞬時に言葉を選んで相手も自分も幸せになれる会話を心掛けたい。もちろん、いつもそばにいる大切な妹にも・・・・・・。