【優秀賞】人権について ぼくは 大山小学校6年 矢吹 大輔

人権について ぼくは
大山小学校6年 矢吹 大輔
 
 ぼくは、はじめ人権作文を書くに当たって改めて「人権」とは何だろうと思い辞書で調べてみました。すると人権とは、「全ての人間が幸せを追求する権利。人間が人間らしく生きる権利で、生まれながらにして誰もが持っているもの」と書かれていました。つまり、ぼくも友だちのみんなも持っているものだと思いました。
六年生になって、七月半ばにサッカーの大会で転倒し、右肩を骨折してしまいました。ぼくは右利きなので、食事では左手しか使えないのでうまく食べることができませんでした。勉強も文字や数字がうまく書けずにとても苦労しました。お風呂に入るときの着替えも一人ではできませんでした。
 そんな時、家では、家族が一人ではできない部分の手伝いをしてくれました。また学校では、友だちが重いものを持ってくれたり、優しく声をかけてくれたりしました。少し恥ずかしいと感じましたが、うれしい気持ちでいっぱいになりました。
 ぼくはこれまでに、車いすで生活している人や腕や手が不自由な人を見たことはありましたが、かわいそうだと感じることはあっても、その人たちのことを深く考えることはありませんでした。でも今回、自分の手が不自由になって、体の不自由な人の気もちが少し分かりました。
体の不自由な人にも、当然、人権はあります。かわいそうと思うのではなく、幸せを追求できるように周りの人が気づかうことが大切なのではないかと気付きました。
 幸せを実感した出来事がありました。
 それは、あるサッカーの大会でのことでした。ぼくは骨折していたので、プレーはできず試合を観るだけだと思っていました。もちろん、試合に出たい思いがあり、くやしくてたまりませんでした。そんな時コーチが、
「次の試合は、君たちに全部まかせる。」
と、言いました。
 ぼくはびっくりしました。ぼくはキャプテンです。スタメンを考えたり、アップを指示したり、選手交代や相手チームの人と交しょうしたりしました。また、具合が悪い人がいないか気をつかいました。とてもたいへんでしたが、やり終えた後充実した気もちになりました。コーチは、きっと骨折したぼくがチームのために何ができるかを考えてくれたのだと思いました。つまり、ぼくの人権を尊重して、ぼくの幸せを考えてくれたのだと思いました。
 「全ての人が幸せになる権利がある」今回の骨折で、ぼくは、いろいろな経験をして、人権について学ぶことができました。今度はぼくが、幸せを感じてもらえるような行動をしていきたいと思いました。