【優秀賞】ばあちゃんの一人言 玉井小学校4年 安田 未歩

ばあちゃんの一人言
玉井小学校4年 安田未歩
 
 わたしは、人の気持ちをよく考えないでものを言ってしまうことがある。だから、友達とはときどきけんかになってしまう。そんなわたしだから、家族にはもっとえんりょなくものをいう。
 わたしのばあちゃんは一人言が多い。一人言なので、始めは聞き流しているが、だんだん時間がたってくると、うるさいとかしつこいなどと感じてイライラしてくる。さらに時がたつと、きつい口調で
「だまってて。」
「うるさい。静かにして。」
などと言ってしまう。ばあちゃんの一人言も多いが、わたしのきつい言葉もとても多い。もしかしたらわたしのきつい言葉の方が多いかもしれない。でもわたしは今まで、そのことに関して特に反省したことはなかった。まわりをイライラさせる、ばあちゃんの方が悪いと思っていたからだ。
 でもあるとき、わたしがきつい言葉をぶつけたとき、ばあちゃんはどう感じているのかなとふと考えてしまった。ばあちゃんは悪気があって一人言を言っているわけではないのに。わたしもおこらずに、たまには一人言につきあって会話をすればよかったのに。そう考えると、なんだか心がもやもやしてきた。そして、ばあちゃんはこんなわたしのことをきらいなんじゃないかなと、心が痛くなってきた。わたしは、今までの自分の言葉をふり返って、自分をゆるせない気持ちになった。どうしてそんなにひどい言葉ばかり言ってきたのだろう。
 ある日、わたしはばあちゃんに、
「ばあちゃん、わたしのことどう思ってる?」
と聞いてみた。するとばあちゃんは、
「もちろん、大好きだよ。」
とにこにこしながら答えてくれた。わたしの気持ちはうれしさでいっぱいになった。ばあちゃんは、わたしがどんなことを言ってもわたしのことを好きでいてくれる。ずっとやさしいばあちゃんのままだ。そんなこともわからず、家族だからとあまえていたわたしは、今回のことで家族のありがたさに気づいた。
 家族は、どんなわたしでも受け入れてくれる。どんなわたしでも好きでいてくれる。もしわたしのことをしかることがあっても、それはわたしのことを思ってのことだ。そのことを知り、わたしはばあちゃんの一人言にあまりイライラしなくなった。そんなわたしの変化に気づいたのか、今ではわたしが何も聞かなくても、ばあちゃんはわたしのことを
「大好きだよ。」
と言ってくれる。わたしもばあちゃんに
「わたしもだよ」
と伝える。
 わたしは、わたしを支えてくれる家族に感謝し、家族でも相手の気持ちを考えてせっしていきたい。わたしも、家族を心から大切にしたいと思う。