【特選】これからを生きる命のために 大玉中学校1年 伊藤 琉生

これからを生きる命のために
大玉中学校1年 伊藤 琉生
 
 日本は今、少子化の問題がある。最近、新聞や、ニュースを見ると、ほぼ毎日のように人が亡くなっている。事故や事件、そして虐待。高齢の方から子供まで様々な人が亡くなる中、最近は子供が多い。死因は交通事故など、たくさんあるが、僕がニュース・新聞を見ると、虐待が多いと感じる。亡くなった子供の親の多くは、子供の教育へのストレスや恋人との遊び、ギャンブル、酒が原因で子供への暴力や、車内放置、家に子供を残すなどの虐待行為をしている。
 虐待するぐらいなら、子供を産まない方が親にとっても、子供にとっても幸せなのではないかと考えたことがある。しかし、僕の考えは間違っていたのかもしれないと最近は思う。テレビで虐待に対する地域の取り組みを見た。子育てについての相談所を作り、相談してあげることで、虐待を減らそうとしていた。虐待の原因の中には、前も書いたように、教育へのストレスがある。僕みたいに産まない方が良いという考えより、地域で協力してあげた方が平和的で良い解決方法だと思う。僕の考え方なんて、まるで、少子化をさらに深刻化させろと言っているような事。みんなで助け合うことが、解決への一歩だと思う。
 しかし中には、もっとひどい理由で虐待をしている人達がいる。恋人との遊び、ギャンブル、酒などは代表的な例だと思う。これらの原因で、車内放置や、家に子供を残して出かける事があり、気温の変化や、食べ物がなくて亡くなる子供達がいる。このような原因は完全に親の自己中心的な考えによるものだと思う。子供達には幸せに生きるための権利があり、存在する全ての人に平等にある。弱い子供が強い大人から幸せをうばわれているのだ。まるでアフリカの内戦で、食べる物もなく、安全に暮らす生活さえうばわれた人々のように。日本は今、戦時中でもない。この親たちは一体どんな考えをもっているのか。
 その他にも、子供に対する暴言や、暴力があり、これが原因で傷ついている子供達がたくさんいる。少し前に、僕は近くの本屋に買い物に行った。すると二人の子供が、店内を走り回り、静かな店内の中、大声で会話をしていた。すると、本屋の向かいにある店から買い物が終わった母親らしき人物が、静かにしろよお前、〇(子供の名前)もだよ!二人そろってうるさくして、次からは車に置いてくよ!と、小さな声ではあるが怒っていた。子供をしっかり見守っていない、注意するときに使う言葉、お前などという言葉、車に置いていくぞなど、会話から親の問題が二つも見つかった。特に車に置いてくなどの言葉は車内放置による死亡事故の種だと思う。その言葉が例えの一つだとしても軽々しく口に出す言葉ではない。
 ニュースで虐待は遺伝すると学者が語っていた。親の虐待から生きのびても、その子供が自分の子供を虐待し、殺してしまうかもしれない。そのときに責任を持つのは亡くなった子供の親であり、親の親が責任を持つわけではない。つまり、たった一人が虐待を始めると、その家族は、何十年も虐待を続けていくか子どもが亡くなってその代で家族が途絶える事になる。一人が虐待をしただけで、虐待をしなかったら生きていたであろう自分の子供、子供の子供、さらにその子供と、これからの命が無くなるのだ。虐待は殺人よりも重い罪なのではないだろうか。
 どの人にも人権はあり、生まれたての子供にも、いまにも亡くなりそうなご高齢の方にも、死刑囚にだってある。そんな当たり前の事を守れない人間、守らせない人間がいる。人権という権利を使うかは個人の自由だ。しかし、他人が、他人の人権を奪う事は法律に関係なく、人、生物として、してはいけない。それが友人でも、何かの恩人でも、親だとしても、許される事ではないのだ。お金よりも大事な事、それは健康。それと同じくらい大事なのは人権、幸せな生活だ。教育はとても大変だ。お金もかかるし苦労も多い。真面目で将来が有望な子に育てたい親もいる。でもまずは、教育の最優先は子供を幸せに育てる事ではないだろうか。少子化問題に対して政治家は、子どもをたくさん産めばいいと言う人も多いが、産んだ子供達をどれ程大切に幸せに育てるかが僕は少子化対策にも虐待対策にもなると思う。自分の子供が嫌いな親はいない。子供が欲しい人も、欲しくない人も産んだらその子供の人権を守ってあげるのが親の役目だろう。そうすることで親も子も、そして未来も笑顔になると思う。