【特選】わたしの妹 大山小学校5年 渡邉 穂乃花

わたしの妹
大山小学校5年 渡邉 穂乃花
 
 私の妹は、あまり耳が聞こえません。生まれた直後に病気になり、その後い症で、なんちょうになったからです。
 妹は、あまり耳が聞こえないため、話をするのが、他の人よりゆっくりでした。だから、うまく言葉を話せるようになるため、病院へ通い、言葉の訓練をしていました。妹の訓練の様子を見てみると、いすに座って先生と二人、一時間くらいずっとがんばって、言葉の練習をしていました。家でも妹は、一人で発音の仕方の練習をしています。父や母に言われなくても一人で練習していることもあるのですごいと思います。
 また、妹にはうまく聞き取れない言葉がたくさんあります。例えば「ながぐつ」は「ならぐう」と聞こえるようです。そのため、国語の宿題で困ることがよくあります。そんな時に妹は、
「わたしには、こう聞こえるけど、本当はこういうふうに言うんだね。覚えるしかないか。」
と言いながら、妹には聞こえていない正しい言葉を一つ一つ覚え直します。私は、そんな妹を見て、強いしがんばっているなと思います。
 以前、母が妹のことで悲しい思いをした時のことを話してくれました。それは、スーパーのレジに並んでいた時のことです。後ろにいたおばあさんたちが
「あの子、耳に何かつけてるよ。ほちょう器かな。耳が聞こえない人だね。かわいそうに。」
と話しているのが聞こえてきたのだそうです。母はそれを聞いて、悲しかったと同時にくやしかったそうです。私もその気持ちが分かるような気がしました。
「全然、かわいそうじゃないのにね。」
母は、そう言いました。私もそう思います。
 妹は、元気だし、たくさん笑っているし、だれにでもやさしいし、困った時に助けてくれる人もたくさんいます。しょうがいがあってもなくても人は変わらないし、わたしにとっては大事な妹です。
 また、母は、
「そのおばさんたちも、悪気があって言ったわけではないんだよ、きっと。」
と言っていました。母の話を聞いて、私は、どうして悪気がないのに、そういうことを言うのだろうと考えました。きっと、妹のような人のことをよく知らないからなのかもしれません。ほちょう器をつけている小さい子をあまり見たことがないから、かわいそうだと思ったのかもしれません。
 だから私は、妹のようなしょうがいをもっている人はたくさんいること、しょうがいがあるからといって、かわいそうではないことを多くの人に知ってほしいのです。そして、みんなに、しょうがいがあっても、しょうがいのない人と何も変わらないんだよ、と伝えたいです。