【優秀賞】明るい未来のために 大玉中学校1年 石井 茜

明るい未来のために
大玉中学校1年 石井 茜
 
 私は夏休み中、パラリンピックや、選手についてのテレビ番組を見ました。すると、今まで考えていたパラリンピックや選手に対してのイメージが変わりました。はじめは、選手は全員障害を持っていて、オリンピックと同じような競技を行うことしか知りませんでした。ですが、テレビ番組を見て四つの驚きの情報を得ました。
 第一に、パラリンピック開催の由来は、戦争だという事です。一九三九~一九四五年まで続いた「第二次世界大戦」の時のことです。ロンドンの病院でせきづいを損傷した兵士の手術後、社会復帰のためのリハビリをスポーツに変えたのが、その病院の神経学者である「ルートヴィヒ・グットマン」です。今まで生きる気力さえも失っていた兵士たちは、スポーツを通じて体を動かすことにより、だんだんと生きる希望を取り戻していったということです。このことから、半身不随を意味する「パラプレジア」と「オリンピック」を合わせ、「パラリンピック」と呼ぶようになったそうです。私は、スポーツをして動くことによって、達成感を味わうことができるため、兵士たちは絶望の中から救われ、「生きる」という希望を持つことができたのではないかと考えます。なぜかというと、スポーツは、個人戦とチーム戦がありますが、病院のリハビリではバスケットボールなどの「チーム戦」です。チーム戦でのメリットは、みんなで助け合いながら協力することができるからです。仲間がいれば、「優しさ」や「思いやり」も増え、日々のマイナスの感情もだんだんなくなっていったのではないでしょうか。
 第二に、オリンピックにはない、パラリンピック独自のスポーツがあるという事です。特に、「ゴールボール」という競技は、「静寂の中の熱き攻防戦」とも言われているパラリンピック特有のスポーツです。バスケットボールほどの大きさで一.二五キログラムのボールの中に、鈴が入っています。一チーム三人で、全員「アイシェード」と呼ばれる目隠しを装着し、そのボールを相手ゴールへ転がして、全盲状態でプレーするそうです。鈴の音はもちろん、足音でさえも武器になるスポーツだと知り、「これがスポーツ?」とはじめは思いましたが、今では、「すごい、自分が得意だと感じたことを生かしているんだ」とすごく驚きました。
 そして、第三には、パラリンピックの象徴である、「パラリンピックロゴ」に隠された意味です。世界の国旗で一番使われている数が多い、「赤・青・緑」の三色で、人間の最も大切な三つの構成要素の、「心(スピリット)」「肉体(ボディ)」「魂(マインド)」を曲線で表しているそうです。この曲線を、「スリーアギトス」と言い、ラテン語で「私は動く」を意味しており、「アギト」では、「困難なことがあってもあきらめずに限界に挑戦し続ける」ことを表現していると聞き、それはまさに、パラリンピックで活躍している選手の方々に見えました。この「アギト」にこめられた思いは、選手達が頑張っている姿を見た人がそのまま言葉にしたのだと私は考えました。
第四に、私の心に残った言葉が一つあります。ルートヴィヒ・グットマンの、「失ったものを数えるな、残されたものを最大限に活かせ。」という、人が前向きに考えられるような言葉です。彼は、スポーツを勧めるだけではなく、このような言葉を毎日兵士達に言い聞かせて勇気づけるだけでなく、生きる希望も彼自身からもあたえていたのではないでしょうか。
 「障害」というものの苦しみを乗りこえ、向き合い、パラリンピックで自分の個性として生かして、日々自分のベストに向けて頑張っている選手の姿を見て私は、障害というものの苦しみやつらさは分からないけれども、自分の考えを持つことはいくらでもできると思います。自分なりに考えたことを少しでも多くの人に広めていこうと思います。
 障害を持っている方達は、普段私達よりもたゆまなく努力しているのにもかかわらず、偏見の目で見てしまっていた部分も少しあった自分がいました。ですがこれからは、偏見という見方をなくし、世界中のすべての人々を受け入れ、誰に対しても誰よりも先に、温かい手を差し伸べられるようにしていきたいです。それに伴って、世界中の障害者と健常者が互いに尊敬・尊重し合い、助け合うことができれば、世界はもっと豊かに、幸せになると考えます。障害を持っていても、あきらめず努力するパラリンピック選手を応援します。