【佳作】 その一言で

玉井小学校 4年 八木田 晴翔
 水曜日は、学級で自由に遊べる「ふれあいタイム」です。その日は、多数決でおにごっこに決まりました。わたしは、おにごっこが大好きなので、昼休みを楽しみにしていました。給食が終わって、みんなで校庭にでました。 
 いよいよおにごっこの始まりです。じゃんけんをしておにを決めました。わたしは、にげるひとです。おにが十秒数えて追いかけます。 
「いくぞ。」
おにがはりきって追いかけてきました。つかまるのがいやで、すごいスピードでにげました。後ろをふり向きながら走っていたので、転んでしまいました。 
 みんながおにごっこをやめて、わたしのところに集まってきました。 
「だいじょうぶ。」
と何人かの声が聞こえました。わたしは、足はいたかったけれど、心が温かくなってきました。 
 それで、友達の一人がいっしょに保健室までついてきてくれました。先生にみてもらうと 
「これはひどいね。」
と言われました。急にけががひどくなった気がして、いたくなりました。でも先生が、 
「だいじょうぶ。一人で歩ける。」
と聞いてくれたので、心がまた温かくなりました。そこで、思わず 
「だいじょうぶです。」
と言ってしまいました。教室に帰っても、本当はまだ足がいたかったです。 
着がえをして、運動着をかたづけようとしたら、友達が 
「だいじょうぶ。かたづけてあげるよ。」
と言ってくれました。友達がもどってきたら、心から 
「ありがとう」
と言えました。近くの男の子もランドセルを持ってきてくれました。うれしかったです。帰るときにも、くつをとってくれる友達がいました。 
 わたしは心の中でいい友達をもったなあと思いました。大好きなおにごっこはできなかったけれど、友達のやさしさに気づくことができました。わたしがこまっていると思って、みんなが助けてくれるのがとてもうれしかったです。わたしもこれからは、だれかの役に立つ、相手のことを考えて行動できるやさしい人になりたいです。
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