【優秀賞】 ぼく、蒼空だよ

大山小学校 4年 遠藤 蒼空
「おめさん、だれの子どもだい。」
 ある日、じいちゃんの家に遊びに行って、ひいばあちゃんが言った言葉でした。 そしてお母さんにも、
「おめさん、だれのむすめだっけ。」
と。初めはふざけて話しているのかと思っていましたが、何度も何度もくりかえします。説明しても、その時は分かるような感じがしますが、すぐに忘れてしまいます。そんなひいばあちゃんが心配になります。
 ひいばあちゃんは今年で八十九さいになります。以前はじいちゃんの家に遊びに行くと、
「蒼空、来たな。」
と話しかけてくれて、遊んでくれました。また、小さいころはよくだっこもしてくれました。しかし、そんなひいばあちゃんがぼくのことを忘れてしまうなんて残念でしかたがありません。
 ある日、こんなことが起きました。昼ご飯の用意をしていたひいばちゃんが、なべをガスコンロにかけたままいなくなってしまいました。なべはグツグツとにたったまま・・・。ぼくはひいばあちゃんをさがしに行きますがどこにもいません。じいちゃんに話を聞くと、火をかけたことを忘れたり、なべをこがしたりと、こんなことが何度も何度もあったそうです。そんなひいばあちゃんがなんだかいやになってきました。
 ひいばあちゃんは「認知症」という病気だそうです。認知症とは、今まで覚えていたことや、やっていたことをとつぜん忘れてしまう病気だそうです。なんでひいばあちゃんがそんな病気にかかってしまったのか不思議でたまりませんでした。
 このことをきっかけに、テレビや新聞などで「認知症」のことが気になるようになりました。ひいばあちゃんのようにものを忘れてしまったり、夜中一人で家を出て行ってしまったりしてしまう人がいるそうです。それに困ってしまった家族が、その人を殺してしまったというこわい事件も起きているようです。認知症の人といっしょに生活している家族は、一日中その人のめんどうを見なければなりません。仕事だってあるし、やらなければならないことだってあるしとても大変なことだと思います。
 ある日担任の先生が、こんなことを話してくれました。
「体が不自由な人や病気の人は、自分がそうなりたくてなっているわけではありません。そんな人に手をかしてあげたり、やさしくしてあげたりできる人になりましょう。」
と。
「そうだ。ぼくのひいばあちゃんもなりたくてなったわけではないんだ。」と考えが変わってきました。いままでぼくたちをかわいがってくれたひいばあちゃんに、ここでお返しをしてあげないといけないと。ひいばあちゃん、長生きしてね。めんどう見るね。
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