【佳作】 共に生きる社会をつくるために

大玉中学校 3年 渡辺 理央
 わたしは今年で三年生になり、総合的な学習の時間に「人権問題」という課題をあたえられた。テーマは障がい者に決め、自分で調べ新聞にまとめる作業を行った。このことをきっかけに障がい者の人権問題について考えようと思った。
 まず、障がい者とはどんな人たちのことなのか。障害には身体障害、知的障害、精神障害の主に三つがある。その他、心身の機能の障害があり、継続的に日常生活や社会生活に制限を受ける状態にある人を障がい者という。その一方で障がい者というだけで差別する人や偏見をもつ人がいる。たとえば、身体や精神に障害があるため社会生活上の困難や不利益を被る人だと思っていたり、障害があることから普通より劣っている、気の毒な人などとマイナスイメージでとらえられたりする。わたし自身も障がい者に対するイメージが悪く、避けたいと思う気持ちがあった。障がい者にはどう接したらいいか分からず今まで関わったことなど一度もなかった。唯一あると言えば朝の登校時。わたしが通っている中学校のすぐ側に福祉センターがあるためそこに通う障がい者の方、二名ほどすれ違うことが多い。その方たちに朝会うと「おはようございます」と元気にあいさつをしてくれる。そんな些細なことがわたしはうれしかった。その時、障害の有無に関係なくどんな人でも一人の人間、みんな平等、だから差別や偏見など絶対にしてはいけないことだと思った。障がい者に対してマイナスイメージをもっていた自分がなさけない。障がい者は普通の生活を送る上で不自由なところはあるが決して不幸ではない。
 あなたは最近メディアで「障害者」ではなく「障がい者」と表記されていることを知っているだろうか。わたしは今までずっと「障害者」と書いていたため、これを知ったときは正直恥ずかしい気持ちになった。なぜ「障がい者」と表記されるようになったか。
 それは障害者という表記の「害」の字には悪い影響という意味があるからだ。これを当てはめると、障害者は邪魔をして悪い影響がある者という意味になってしまう。このことから近年、「害」の字を使うのは好ましくないといわれるようになり「障がい者」と表記するようになった。
 また、表記の他に障がい者のための生活支援センターを建設したり家庭に訪問し支援したり様々なサービスや取り組みが行われている。その他、今注目されているのがユニーバーサルデザインだと思う。ユニーバーサルデザインとはすべての人のためのデザインを意味し年齢や障害の有無などに関わらず多くの人が利用できるようにデザインすることだ。シャンプー容器のギザギザや点字、多機能トイレなどがあり誰でも使いやすくわかりやすいものになっている。これからユニーバサルデザインが増え、みんなが気持ちよく生活できるようになってほしい。
 最後に、わたしたちは障がい者も健常者も共に生きる社会をつくるためにはお互いを理解し支え合うことが大切だと思う。そのためにも障害は誰にでも起こる身近なものであり外見だけでは分からない障害もあることを忘れないでほしい。もしも困っている人を見かけたら「わたしに何かできることはありますか?」と一言かける勇気をもちたいと思う。
 また、障害があるからと決め付けず一人一人が個性を発揮できる場を社会的に増やしていくべきだ。
 わたしは障がい者の人権を守るためにも人として最低限のルールやマナーを守り、人権を守る重要性を知ってほしいと思う。これからの社会が差別や偏見がなく明るい生活が送れるようにと願っている。
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