otama village

　ぼくは、アトピーがひどくて体からだがボツボツです。幼稚園ようちえんのころ、急きゅうに出でてきて、いろいろな病院びょういんへ行いって、薬くすりを飲のんできましたが、一度いちど良よくなっても、また出でてきての繰くり返かえしで良よくなりません。学校がっこうでも、友達ともだちに見みられたら何なにか言いわれるのではないかと、半はんそで半はんズボンずぼんの運動着うんどうぎを着きるのにとまどいがありました。ぼくの体からだを見みて、 
「かゆそうだけどだいじょうぶ。」
と心配しんぱいしてくれるやさしい友達ともだちがたくさんいます。そう言いってもらえると、とてもうれしくなり、ホッとします。それとは反対はんたいに 
「ボツボツ星人せいじん」
と言いわれたり、体からだを見みるなり
「うわぁ」
と言いわれた事ことがありました。その後ご、とてもつらくなります。「ボツボツ星人せいじん」と言いわれた時ときは、心こころが傷付きずつき、どうしてアトピーなのと考かんがえるばかりでした。それから、半はんそで、半はんズボンずぼんが着きれなくなり担任たんにんの先生せんせいに相談そうだんしました。そのとき先生せんせいは、 
「そんなの気けにしない。もっと強つよい気持きもちを持もちなさい。」
とはげましてくれたのでした。 
　次つぎの日ひ、ぼくは先生せんせいに感謝かんしゃの気持きもちでいっぱいになりました。生活せいかつの授業中じゅぎょうちゅう、先生せんせいの昔むかしの体験たいけんしたことを加くわえながら、 
「人ひとの体からだの事こと、病気びょうきの事ことを馬鹿ばかにして絶対ぜったいに口くちに出だしてはいけない。言いわれた本人ほんにんはどれだけ傷付きずつくか考かんがえてみなさい。」 
とみんなに伝つたえてくれたのです。ぼくは心こころの中なかで、 
「先生せんせい、ありがとうございます。」
と言いいました。ぼくはとてもうれしくて、帰かえってからその事ことをお母かあさんに伝つたえました。お母かあさんも、
「味方みかたになってくれる人ひとがたくさんいてうれしいね。」 
と喜よろこんでくれました。 
　その夜よる、テレビで「かめの背中せなかを持もつ少年しょうねん」という、コロンビアの少年しょうねんについて放送ほうそうしていました。生うまれながら、体からだをおおう大おおきな黒くろいホクロがあり、背中せなかがまるでかめのこうらのようでした。家いえは貧まずしく、六年ろくねん間かんも何なにもできないまま苦くるしみ、Tシャツも着きることができなかったそうです。それを見みたしゅん間かん、なんてかわいそうなんだろう、ぼくの体からだなんかより、もっとひどいと思おもいました。その少年しょうねんはテレビ番組ばんぐみのおかげで、それを見みていた先生せんせいに手術しゅじゅつしてもらえました。将来しょうらいは医者いしゃになって子供達こどもたちを救すくいたいと言いっていました。ぼくは負まけていられないと思おもいました。 
　その日ひから、半はんそで、半はんズボンずぼんが着きれるようになりました。ぼくをはげましてくれるたくさんの友達ともだちがいることをわすれず、少年しょうねんのように病気びょうきとたたかいながら強つよく生いきていきたいと思おもいました。