otama village

　人種じんしゅ差別さべつ。人間にんげんを外観的がいかんてき特徴とくちょうや民族みんぞく、国籍こくせきなどに基もとづいて区分くぶんし、その特定とくていの人々ひとびとに対たいして嫌いやがらせや差別さべつをすること。つまり、肌はだの色いろが違ちがうから、目めの色いろが違ちがうからなどを理由りゆうに仲間外なかまはずれにしたり暴言ぼうげん、暴力ぼうりょくをしたりすることである。時々ときどき、テレビなどで人種じんしゅ差別さべつについて放送ほうそうされているのを見みかける。人種じんしゅ差別さべつはいじめと同おなじで、自分じぶんは差別さべつはしているつもりはないと思おもっていても相手あいてからすればあなたのしていることは人種じんしゅ差別さべつだととらえられてしまうことも少すくなくない。実際じっさいに私わたしも人種じんしゅ差別さべつをしてしまったことがある。
　それは小学校しょうがっこう高学年こうがくねんの頃ころ。小学校しょうがっこうの授業じゅぎょうには英語えいごの授業じゅぎょうが中学校ちゅうがっこうのように数多かずおおくあるわけではない。あったとしても月つきに何回なんかいかぐらい。英語えいごを教おしえてくれる先生せんせいも担任たんにんの先生せんせいではなく、ALTの先生せんせいが教おしえてくれる仕組しくみになっている。そのALTの先生せんせいに私わたしは人間にんげんとしてやってはいけないことをやってしまった。その先生せんせいはアメリカ出身しゅっしん。アメリカの国民性こくみんせいは日本にっぽんとは真逆まっさかさまで積極性せっきょくせいがあり、自己じこ主張しゅちょうがはっきりしている。また、とてもフレンドリーであるため、ジョークを言いうなどして場ばを盛もり上あげるのが上手じょうずである。あいさつの一ひとつとしてハグをするのは当あたり前まえ。日本にっぽんでは考かんがえられないかもしれないがこれもアメリカの国民性こくみんせいの一ひとつである。小学生しょうがくせいの私わたしには国民性こくみんせいを尊重そんちょうすることもせず、何なにも考かんがえずに日本語にほんごが上手じょうずではないから、なれなれしいからを理由りゆうに陰かげでうざいや気持きもち悪わるいなどと言いったり、話はなしかけられても嫌いやそうな顔かおをして無視むししたりするなど最低さいていな行為こういをしてしまった。その時ときはまだ自分じぶんは悪わるいことをしている、自分じぶんは人ひとのことを傷きずつけていることなど気付きづいてなかった。
　でも、中学校ちゅうがっこうに入はいり、英語えいごの授業じゅぎょうが毎日まいにちある中なかで感かんじたことがある。それは、母国語ぼこくごではない言葉ことばを話はなすのはとても難むずかしいということ。母国語ぼこくごではない言葉ことばを話はなすのには、人一倍ひといちばい勉強べんきょうし、人一倍ひといちばい努力どりょくしなくてはならないのに・・・その先生せんせいもきっとたくさん日本語にほんごを勉強べんきょうし、たくさん日本語にほんごを勉強べんきょうし、たくさん日本語にほんごを話はなしてやっと身みに付つけた力ちからなのに・・・なんてひどいことをしてしまったんだととても後悔こうかいしている。また、私わたしは修学旅行しゅうがくりょこうの時ときに英語えいごで話はなしかけられたことがある。混乱こんらんしてしまい、きちんと質問しつもんに答こたえられず、はずかしい思おもいをした。この経験けいけんからも母国語ぼこくごではない言葉ことばを話はなすのはとても難むずかしいことなんだと実感じっかんした。
　この過あやまちから私わたしは一ひとつ一ひとつの国くにに特徴とくちょうがあり、色々いろいろな性格せいかくや個性こせいがあるということを学まなんだ。私わたしは中学校ちゅうがっこうのALTの先生せんせいと話はなしをするのが大好だいすき。母国語ぼこくごは違ちがうのに伝つたえたいことが伝つたわった時ときのうれしさはこれ以上いじょうにないってぐらいうれしい。今いま思おもえばどうしてこんなに楽たのしいことに気きが付つかなかったのだろうと思おもう。でも今いままでの過あやまちや経験けいけんがあったからこそ、外国人がいこくじんの方ほうと話はなす楽たのしさに気付きづくことができたのだと思おもう。
　しかし、この世よの中なかには人種じんしゅ差別さべつをしている人ひと、されている人ひとがまだまだいると思おもう。している人ひとには人ひとそれぞれ違ちがって当あたり前まえなんだから、自分じぶんがされたらどう思おもうか考かんがえてほしいということを伝つたえたい。されている人ひとには、そのままの自分じぶんで人種じんしゅ差別さべつをされる理由りゆうなんかないんだということを分わかってもらいたい。
　人種じんしゅ差別さべつをなくすには、人種じんしゅ差別さべつについて理解りかいする、その人ひとの個性こせいやその国くにの国民性こくみんせい、特徴とくちょうを知しる。この二ふたつが最もっとも重要じゅうようだと思おもう。この二ふたつを上手うまく尊重そんちょうしていけば自然しぜんと人種じんしゅ差別さべつはなくなっていくと思おもう。例たとえばハグをするのがあいさつだったら少すこし抵抗ていこうがあったとしても思おもいきってハグをしてみる。そうすると意外いがいといい感かんじだなあと思おもうかもしれない。
　私わたしはそれぞれの人ひと、それぞれの国くにの個性こせい一人一人ひとりひとり、一ひとつ一ひとつが尊重そんちょうされる世界せかいになってほしい、人種じんしゅ差別さべつはいけないことなんだと一人ひとりでも多おおくの人ひとに知しってもらいたいと思おもう。この世界せかいが今いまよりもっともっと幸しあわせに成なりますように。私わたしはこれからももっとたくさんの人ひととコミュニケーションをとっていきたいと思おもっている。